⽇常に─。
⽊製サッシの魅⼒を紐解く。
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「窓」と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。光を採り入れ、風を通すための開口部──それも窓の大切な役割です。しかし日本人は古くから、窓にもう一つの役割を見出してきました。それは、外の風景を一枚の絵のように「切り取る」こと。日本庭園の借景から現代のピクチャーウィンドウまで、日本の窓に受け継がれてきた美意識を紐解きます。
日本の伝統的な造園手法に、「借景(しゃっけい)」という言葉があります。遠くの山並みや森、空といった敷地の外にある自然を、庭の背景として「借り」、庭園の一部であるかのように取り込む手法のことです。京都の圓通寺が比叡山を、修学院離宮が周囲の山々を借景としているように、古くから日本の名庭は、塀の内側だけで完結せず、遠くの風景までも設計の一部としてきました。
注目したいのは、この借景が「窓」や「開口部」と切り離せない関係にあったことです。書院造の座敷から庭越しに山を望む構図、茶室の躙り口や下地窓から覗く庭の断片、雪見障子の下半分に切り取られた庭の景色。日本の住まいは、建具や開口部の位置・大きさ・高さを緻密に設計することで、「どこから、何を、どう見せるか」を演出してきました。
つまり日本人にとって窓とは、単なる「採光・換気のための穴」ではなく、外の風景と室内をつなぎ、自然を暮らしに招き入れるための装置だったのです。
西洋の絵画が額縁の中に風景を描いて壁に飾るのに対し、日本の住まいは、窓そのものを額縁に見立て、本物の風景を「一幅の絵」として飾ってきました。
象徴的なのが、床の間の障子や丸窓です。禅寺に見られる円形の「悟りの窓」は、窓の向こうの庭を円い額縁で切り取り、季節ごとにまったく異なる絵を見せてくれます。桜の春、深緑の夏、紅葉の秋、雪化粧の冬。同じ窓でありながら、飾られる「絵」は一日として同じものがありません。
この「切り取る」という行為には、日本的な美意識が凝縮されています。すべてを見せるのではなく、あえて視界を限定することで、風景の美しさを際立たせる。余白を残し、想像の余地を生む。障子越しのやわらかな光や、簾越しに揺れる木漏れ日を愛でる感性も、この延長線上にあります。豪華な装飾で室内を飾るのではなく、移ろう自然そのものを最高の意匠とする──それが、日本の窓の美学なのです。
こうした美意識は、現代の住まいづくりにも脈々と受け継がれています。その代表格が「ピクチャーウィンドウ」です。窓を額縁(ピクチャーフレーム)に見立て、窓の外の風景を絵画のように楽しむ手法で、遠くの山や庭の木々を室内に取り込むという点において、まさに借景の現代形といえるでしょう。
近年人気の「和モダン」の住まいづくりにおいて、ピクチャーウィンドウは特に相性の良い手法です。和モダンとは、日本の伝統的な意匠や素材感を、現代的でシンプルな空間デザインに融合させたスタイルのこと。装飾を削ぎ落とした静かな空間だからこそ、窓に切り取られた風景が主役として際立ちます。畳の間から低い位置の窓で庭の緑を望む、吹き抜けの窓から空を切り取る──伝統建築が培ってきた「見せ方」の知恵は、現代の設計にそのまま活きています。
美術館では、一枚の絵にどんな額縁を合わせるかで、作品の印象が大きく変わるといわれます。窓を額縁とするなら、その素材選びもまた、風景という「絵」の印象を左右する重要な要素です。
無機質な金属の枠は、シャープで工業的な印象を与える一方、自然の風景とのあいだに、どこか温度差を生んでしまうことがあります。対して木製サッシは、木そのものが自然の素材。窓の外の木々や庭の緑と同じ「自然」でできた額縁は、風景と室内を違和感なくつなぎ、絵をいっそう引き立てます。
日本の伝統建築が、柱も梁も建具もすべて木でつくられ、庭の自然と一続きの空間を生み出してきたことを思えば、木の窓枠で風景を切り取ることは、日本の美意識の正統な継承ともいえるでしょう。経年とともに深まる木の色艶は、切り取られた四季の風景とともに、住まいの時間を豊かに刻んでいきます。
借景からピクチャーウィンドウへ。時代とともに住まいのかたちは変わっても、「風景を切り取り、自然とともに暮らす」という日本の窓の美意識は変わりません。窓の位置と大きさ、そして額縁となるサッシの素材にこだわれば、あなたの家にも、季節とともに移ろう世界にひとつの「名画」を飾ることができます。
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引⽤元:ユニウッド(https://www.uniwood.co.jp/)
昭和32年創業のユニウッド株式会社は、木製品の製造において半世紀以上の歴史を持つ、木製サッシの専門メーカー。取り扱う木製サッシは100%自社工場でオーダーメイド。豊富な知識と卓越した職人の技術によって、木の美しさを存分に引き出した、機能性・耐久性にも優れた高品質な木製サッシを提供しています。監修:代表取締役佐藤元平氏/運営会社:Zenken
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